株主の皆さまへ

代表取締役社長兼COO 小國 勇 代表取締役会長兼CEO 小林 徹

代表取締役社長兼CEO
小國 勇

厳しい経営環境を乗り越え積極果敢なチャレンジで新たな成長軌道を目指していきます。

当期の業績総括と次期の展望

 当期(2019 年12月期)は、米中貿易摩擦の影響やスマートフォン需要の減速などを背景に製造業における設備投資関連需要が冷え込み、当社グループの業績をこれまで牽引してきたFA事業・MVL事業の売上が低調となりました。またSS事業においても、国内向けの防犯関連は堅調に推移したものの、欧州や中南米など海外向けの販売が伸び悩みました。これらの結果、当期のグループ連結売上高は375 億円(前年度比7%減)となりました。

 利益面については、売上総利益減の影響に加えて前期(2018年12月期)に実施した複数社のM&Aによる販売費・一般管理費の増加や、米中貿易摩擦での追加関税等による原価率の上昇などもあり、営業利益は29億円(同43%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億円(同42%減)といずれも大幅な減益となりました。

 このように非常に厳しい経営環境下での1年間でしたが、2020年に入り世界経済はようやく下げ止まりの気配を見せ始め、半導体など一部の業界では設備投資回復の兆しも出てきています。そうした状況のなかで当社グループは米中貿易摩擦での追加関税対策として生産の一部をベトナムに移管することをはじめ、業績回復に向けた取り組みを急ピッチで進めるとともに、各事業において新たな成長のための変革にも積極的に挑戦しています。

 これらを踏まえて次期(2020年12月期)の業績は、連結売上高は400億円(前年度比7%増)、連結営業利益は32億円(同12%増)にまで回復させる計画です。

新・中期経営計画と各事業の成長戦略

 先頃、当社グループは2020年度を初年度とする3カ年の中期経営計画を発表いたしました。 この新・中期経営計画の最大のポイントは、各事業分野における「ビジネスモデル変革への挑戦」にあります。

 SS事業では、従来のセンサー販売主体の「モノ売り」から、お客様課題を解決する「ソリューション提供型事業(=コト売り)」への転換を推進していきます。その一例が、屋外センサーと監視カメラを連動させることにより警備会社で誤報と真報を見分けることができる「画像確認ソリューション」の提供です。 犯罪を未然に防止する「屋外事前防犯」の普及を目指して、当期から欧米地域で現地警備会社との提携による本格展開を開始しました。他にもワイヤレス車両検知センサーを活用した「駐車場満空管理ソリューション」、様々な現場の衛生管理に貢献する「衛生状態モニタリングソリューション」など新たなビジネスが始動しています。

 FA事業は高付加価値製品の強化によって成長を図ります。特に注力していくのが食品業界向けに売上を伸ばしている「画像センサー」と、“5G”※の波を背景に電子部品業界で需要拡大が予想される「変位センサー」の分野です。また汎用製品についても、制御システムとの間で双方向のデータ交換ができる通信技術に対応したセンサーや中継器を、独ジック社との協業により発売し拡大を図っていきます。

 MVL事業では「トータルソリューションベンダー」への変革を目指していきます。これまで国内の各所に開設してきた実験室を活用して提案力を高めるとともに、カメラ、レンズ、AI、ロボットなど多様な業界との連携を強化し、ニーズが急拡大している「目視検査の自動化」への対応をはじめ、お客様の課題解決をトータルに支援できる事業として進化させていきます。  これら各事業部門での成長戦略を推進していくことで、中期経営計画最終年度の2022年には売上高500億円、営業利益65億円を達成したいと考えています。 ※ 5G:「第5世代移動通信システム」のこと。次世代の通信インフラとして、「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」の特徴を軸に、社会に大きな技術革新をもたらすといわれている。

株主・投資家の皆様へのメッセージ

 当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題の一つに位置付けています。当期の配当については、創立40周年記念配当2円50銭を含む中間配当17円50銭、期末配当15円を合わせ、合計32円50銭とさせていただきました。

 当社グループが持株会社体制へ移行して丸3年が経過し、この間にSS事業とFA事業の製造機能統合による競争力強化や、MVL事業とFA事業における購買機能の共有化をはじめ、 グループシナジーの拡大と、「全体最適」の視点による経営資源の有効活用は着実に進んでいます。2019年8月には、それまで東京エリアにおいて事業会社ごとに展開していた営業拠点を一つに集約したグループ統合オフィスを東京・港区に開設しており、これによりグループ内の人的交流やコミュニケーションの活性化促進が期待されます。

 当分は厳しい経営環境が続くと予想されますが、これからも当社グループは株主の皆様のご期待に応えるべく、企業理念に掲げる「ベンチャースピリット溢れる企業集団」としての一体感を高め、再び成長軌道を描くことができるよう積極果敢にチャレンジを続けてまいります。皆様には引き続き温かいご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

OPTEX