株主の皆さまへ

代表取締役社長兼COO 小國 勇 代表取締役会長兼CEO 小林 徹

代表取締役社長兼CEO
小國 勇

コロナショックの収束を見据え、経済・社会環境の変化に対応していきます。

上半期の総括と通期見通し

 2020 年度上半期は、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)により世界各国で経済・社会活動が停滞したことで、グループの各事業が大きな影響を受けました。SS 事業の防犯関連では、主力市場である欧州地域で都市封鎖などの影響から営業活動や機器設置が大きく制限され、販売が伸び悩みました。FA事業においても、国内の自動車関連の設備投資需要が急減したほか、欧州のOEM先への販売が大幅に減少するなどの影響を受けました。またMVL事業でも、コロナ禍を背景とした海外市場における半導体・スマートフォン関連投資の減速によって販売が低迷しました。

 これらの結果、当上半期のグループ連結売上高は166億円(前年同期比11%減)となりました。利益面についても、グループ全体で生産性向上活動や経費削減に努めたものの、売上総利益の減少により、営業利益は8 億円(同40% 減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億円(同37%減)といずれも大幅な減益となりました。

 コロナ禍の影響は現在も続いていますが、当社グループに関しては部品納入遅延などのサプライチェーンの乱れは7月現在正常に復帰しており、各地の生産工場もほぼ正常に稼働できる状況にあります。下半期からは各国の経済・社会活動における制限緩和も徐々に進むことが予想されており、これに伴い、SS事業の防犯関連・自動ドア関連の提案・販売も回復基調に向かうことが期待されます。また、FA事業も主力市場の一つである中国で3月以降、設備投資需要が急激に回復していることから、下半期に向けて受注・販売が徐々に戻ることが予想されます。MVL事業においても、一昨年買収した仏子会社との協力体制強化、製品ラインアップ強化などにより下半期における受注・販売の回復を見込んでいます。

 上記のような展望のもと、下半期は各事業部門において上半期での苦戦をある程度挽回できると見込んでおり、これらを踏まえて通期売上高は345億円、営業利益は18億円、親会社株主に帰属する当期純利益は12億円を予想しています。

中長期の展望

 現在のコロナ禍は、「ニューノーマル(新常態)」という言葉に象徴される新しい暮らし方や社会のあり方をもたらすと言われています。非接触化やリモート化、省人化・自動化などの動きは、今回のコロナ禍によって一層加速されることが予想されます。社会の変化を常に見据え、それに対応したソリューションの開発に取り組んできた当社グループにとって、この状況はある意味で事業拡大の機会でもあります。

 たとえば、SS事業が今春発売した「Clean Switch」は、手をかざすだけで反応する自動ドア用の非接触型スイッチで、医療施設・食品工場など衛生面の配慮が必要な多くのお客様から引き合いを得ています。他にも無駄な開放時間を抑制する工場・倉庫のシャッター用センサー、商業施設などの滞留者・混雑度を自動測定できるシステム、厨房や食品工場、医療現場などの衛生状態を短時間でモニタリングできるシステムなど、新型コロナウイルス感染症対策にも寄与できるソリューションを幅広く提供しています。

 FA事業においても、工場・倉庫などでのいわゆる3密(密閉・密集・密接)対策により省人化・自動化へのニーズが一層高まっていることから「超高精度変位センサー」や「非接触エリア温度計」といった製品が注目を集めており、ラインアップの拡充を図っています。

 またMVL 事業においても、これまで人に頼ってきた「目視検査」の自動化ニーズが高まっていることに対応して、AIを活用したソリューションに関する技術開発を強化するとともに、ロボットメーカーをはじめ多様な異業種との協業体制を深化させていきます。

 先行き不透明な状況ではありますが、今後も全体最適の視点から経営資源の配分を進め、社会から求められる分野、すなわち成長が期待できる分野での開発投資を強化していくとともに、グループとしてのシナジーの拡大にも努めていきます。

持続的成長を目指して

 近年、企業経営にはESG(環境・社会・ガバナンス)の視点が不可欠になったと言われます。しかしながら、当社グループは41年前の創業時からそうした考え方を経営の根幹に据え事業を展開してきました。それを象徴するのが、創業者が提唱した「ふとるビジネス」です。「ふとる」とは「『不』を取る」、すなわち世に存在するさまざまな「不」を取り除くことが、自分たちの仕事だという考え方です。たとえば、不便を便利に、不快を快適に、不安を安心に、不満を満足に変えていく。それは言い換えれば、さまざまな社会課題を解決していくことに他なりません。

 また、近江商人の経営哲学である「三方よし」も創業以来大切にしてきた信条で、当社グループではこれをオプテックス流に解釈し「己よし、相手よし、世間よし」としています。「相手」には、製品の買い手であるお客様だけでなく、仕入れ先や協力会社の方々、さらには当社グループと切磋琢磨する競合他社などさまざまなステークホルダーが含まれています。そうした多様なステークホルダーとの良い関係性を構築していくことが「己=自社」の利益につながるという考え方は、まさにESGの視点を先取りしたもので、当社グループの土台を支える重要な理念だと思っています。

 これからも創業時からのこうした企業文化を継承し、一層の「ふとるビジネス」の展開を通して社会問題の解決に貢献すると同時に、企業価値の向上を実現してまいります。

株主・投資家の皆様へのメッセージ

 当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付けています。配当につきましては、利益状況に応じた成果の配分を基本に、成長過程の現状は配当性向30%を目処としつつも経営基盤の強化を考慮し、安定配当とのバランスを勘案しながら決定しています。当期は、コロナ禍という想定外の厳しい経営環境の変化に見舞われていますが、来期以降の回復を織り込んだ上で、前期同様に中間・期末ともに普通配当金を各15円とし、合計30円の年間配当金とさせていただく予定です。

 なお、これまで継続してきた「株主優待制度」については、廃止することといたしました。これは、当社グループを取り巻く現在の経営環境を考慮し、適切な株主還元のあり方について慎重に検討を重ねた結果、配当金による利益還元を充実させることが真の株主利益に資するとの判断に至ったものです。今後は従来以上に高い利益還元を実行できるよう企業価値の向上に努めてまいりますので、引き続きご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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